今回は2024年3月2日に行われた第37回臨床工学技士国家試験に実際に私が受けてみた感想を紹介したいと思います。
例年より難しいと言われている第37回の国家試験ですが、果たして何が難しかったのか?なども踏まえて紹介しますのでぜひ御覧ください!
iPadをこよなく愛する新米臨床工学技士
- 2ヶ月の勉強でME2種に合格
- iPadを使った勉強法で国家試験合格
- iPad使用歴4年
合格率から見る第37回臨床工学技士国家試験の難易度
合格率は以下のとおりです。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2,630名 | 2,090名 | 79.5% |
また不適切問題は午前の第25問と午後の第9問でした。
直近7年間の合格率推移と比較
次に直近7年間の合格率の推移を紹介していきます。
直近7年間の国家試験合格率の表は以下のとおりです。
国家試験年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
第37回 (2024年) | 2,630 | 2,017 | 79.5% |
第36回 (2023年) | 2,706 | 2,193 | 85.4% |
第35回 (2022年) | 2,603 | 2,168 | 80.5% |
第34回 (2021年) | 2,652 | 2,232 | 84.2% |
第33回 (2020年) | 2,642 | 2,096 | 82.1% |
第32回 (2019年) | 2,828 | 2,311 | 77.5% |
第31回 (2018年) | 2,737 | 2,068 | 73.7% |
また、合格率の推移をグラフにまとめたのでこちらも紹介します。
グラフを見るとわかるように過去4年間と比べて37回の国家試験は合格率が少し下がっています。
また今回、37回の国家試験が難化した原因は前回の36回国家試験が簡単であったためとも考えられます。
合格率・受験者数の推移からの分析
過去7年のデータではありますが、緩やかな上昇トレンドとなっていますが国家試験の難易度上昇などによってそろそろ頭打ちになってくるのではないかと考えています。
難易度上昇といっても受験者数の減少傾向などもあり、医療従事者不足に悩まされている昨今では、人手を増やすために第31回国家試験の75%の合格率を切るような難易度の国家試験問題はあまり出ないのではないかと考えています。
今回の37回が難しかったから38回は簡単になるのでは?と感じてしまいますが、今後の出題傾向が第37回のようになる可能性も捨てがたいため、油断せずに37回の傾向をよく分析して次回の国家試験に備えていただきたいです。
実際に第37回臨床工学技士国家試験を受けてみた感想は?
実際、私の第37回臨床工学技士国家試験の点数は以下のように合計で75%ほどでした。
そこまで高くはないですが60%以上で合格できればいいと思っています、、笑
私が第37回臨床工学技士国家試験を受けた感想としては、少し問題の傾向が変わって難しかったと感じました。
具体的には、AM-7の血液型検査・交差適合試験の問題や、PM-32の光トポグラフィの問題や、PM-62のような医療DX関連の問題などがあり、第37回の国家試験を受けた方はこんな問題出たことないなあと感じた方も多かったと思います。
このように若干問題の傾向が変わり難しくなったと感じますが、過去の問題を若干変えただけの問題だったり、過去の問題がそのまま出ている箇所もあったので、過去の問題をしっかりと網羅すれば対応できると思います。
では次にどの程度過去の国家試験の問題を解くべきかを紹介していきたいと思います。
過去の問題は何年分勉強するべきか?
結論、私個人の意見は以下の通りです。
先ほども申し上げた通り、過去の問題の改変や同じ問題が出ることは少なくありません。定期的に国家試験の作成者も変わっていきますが、おそらく作成者方も過去の問題を参考にしながら作成しているのではないかと考えています。
ただ単に過去問を答えを暗記するのではなく、問題文の選択肢ひとつひとつを正しい答えに直して覚えることが大切です。
勉強のノウハウについては、医師国家試験・司法試験・公認会計士試験の最難関試験の3つに合格した河野玄斗さんの本「資格試験のための最短最速勉強法 速学のススメ」がおすすめです。
本自体も大文字で読みやすく、国家試験勉強以外にもME2種・1種や心電図検定などにも活かせる1冊です。
値段は1,500円と比較的安く、勉強に対する考え方を成功者から学ぶことができるので是非購入してみてください。
統一模試で何割くらい取るべき?
多くの養成校の方が日本臨床工学技士教育施設協議会が主催している、統一模試に取り組むと思います。
統一模試は臨床工学技士国家試験の傾向を考慮して作成している模試ですが、国家試験より難易度は高いです。例えば、統一模試で得点率が55%であったとすると、実際の国家試験での得点率は60〜70%に上昇すると考えていいと思います。
実際に私は2月に行われた統一模試では得点率は58%でしたが国家試験本番の得点率では75%と、約15%上昇していました。
このことから、統一模試ではおおよその目安として55%以上を取ることを目標にしておけば実際の国家試験にも対応できると私は考えています。
国家試験勉強に役立った参考書3選と使い方の解説
次に私が実際に使用して国家試験の勉強に役立った参考書を3つ紹介します。それぞれの参考書の特長や使い方を詳しく解説しているので、参考書選びに迷っている方はぜひ参考にしてください。
また、語呂合わせを使うとさらに効果的に覚えることもできます。臨床工学技士国家試験で使える語呂合わせの記事も合わせてぜひご覧ください。
- 臨床工学技士標準テキスト 第4版
- 臨床工学技士国家試験問題解説集
- 臨床工学技士ポケット・レビュー帳
正直私は、この3つを重点的に勉強すれば十分だと考えています。参考書が多くなればなるほど一つの参考書に対する勉強量が少なくなり、中途半端になってしまいます。
こうしたことからも、勉強用の教材は少なくシンプルにすることで効率が劇的に向上します。
それでは上記の参考書について特徴や使い方を紹介していきます。
①臨床工学技士標準テキスト第4版
標準テキストは多くの方が所持しているとは思いますが、国家試験の全範囲を網羅している辞書のようなものです。
国家試験勉強や、学校の勉強などの際にわからない部分を調べるときによく使います。国家試験レベルの内容は大体記載されているので、必須の参考書です。
- 調べ物の際に辞書として活用
- 苦手な単元を通読して自分のわかりやすいように要約する
②臨床工学技士国家試験問題解説集
\その他の国家試験問題解説集は下の部分を開くと出てきます/
35回〜27回までの国家試験問題解説集の一覧はこちら
画像 | 問題解説集の年度 | 最安値 |
---|---|---|
第35回臨床工学技士国家試験問題解説集 | 1,760円 | |
第34回臨床工学技士国家試験問題解説集 | 1,760円 | |
第33回臨床工学技士国家試験問題解説集 | 1,540円 | |
第32回臨床工学技士国家試験問題解説集 | 1,540円 | |
第31回臨床工学技士国家試験問題解説集 | 1,540円 | |
第30回臨床工学技士国家試験問題解説集 | 1,320円 | |
第29回臨床工学技士国家試験問題解説集 | 1,320円 | |
第28回臨床工学技士国家試験問題解説集 | 1,320円 | |
第27回臨床工学技士国家試験問題解説集 | 1,320円 |
国家試験対策の基本は過去問を解いて傾向を知ることにあります。例年、過去問が改変・もしくはそのまま出題される部分もあるので、できれば5年分〜10年分を持っていたほうがいいです。
問題を解く ➡ 解説を見て選択肢を正しい答えに直す ➡ その他の年度の国家試験を解く
私はこの繰り返しをして問題の傾向を分析していました。
- 過去問をとにかく解いてアウトプットする
- 問題の傾向を知る
- 苦手な単元だけをまとめて解く
私自身は、過去10年分の国家試験解説集を下の画像のようにグッドノートにPDF化して保存しています。PDF化することで簡単に持ち運びができたり、何回でも解説集にiPadで書き込みができるのでおすすめです。
また、グッドノートではPDFのページを1枚毎にコピー&ペーストできるので下の画像のように苦手な単元だけをまとめた問題集を作ることもできます。
自宅にスキャナーがなくても、スキャン代行会社を使えばテキスト認識付きで簡単にスキャンをすることができます。気になる方はこちらをご覧ください。
③臨床工学技士 ポケット・レビュー帳−改訂第2版
こちらの臨床工学技士ポケットレビュー帳は、標準テキストの内容の中から国家試験に出題された重要度の高いものをまとめた本です。
標準テキストをよりコンパクトにした本で、暗記シート付きなので電車や待ち時間などのスキマ時間にも効率的に勉強することができます。
私自身もこの本はコンパクトで持ち運びしやすかったため、かなり重宝しました!
- 重要な単語や用語を暗記する際に暗記シートを使って覚える
- イラストや図解などをみて理解を深める
- 出先などに持ち歩いてスキマ時間に活用する
分野別に勉強したい方におすすめの参考書
先ほど上記3つの参考書で十分と申し上げましたが、過去問などを解いていると苦手な分野が出てくると思います。そういったときにこの分野別で補強する際にこの「臨床工学技士国家試験 Check UP!」がオススメです。
1つの分野だけでなく、似たような分野がまとめて入っているので合わせて覚えることができます。今回は「医用治療機器学/生体計測装置学/医用機器安全管理学」の単元の本を紹介しましたが、医用電気電子学や循環機能代行機器学など様々な種類の単元があるのでぜひ調べてみてください。
その他臨床工学技士国家試験 Check UPの単元はこちら
画像 | 単元 | 最安値 |
---|---|---|
医用電気電子工学 医用機械工学 生体物性材料工学 | 3,520円 | |
医学概論 臨床医学総論 | 2,970円 | |
呼吸療法装置 体外循環装置・補助循環装置 血液浄化療法装置 | 2,420円 |
黄色い教科書(臨床工学技士講座)は必要?
この黄色い教科書(臨床工学技士講座)を学校側から購入を促される事が多いと思います。こちらの教科書は買うべきであるかどうかをここでは述べたいと思います。
結論、この黄色い教科書は特に必要なし。ほしい方はメルカリなど中古で十分
これが私の意見です。国家試験の勉強ですが、国家試験の解説集や標準テキストで間に合ってしまいますので1つ1つの単元をさらに突き詰めて勉強したい方におすすめできます。
ただし使う頻度は少ないと思いますので、中古で購入したり図書館などで借りるくらいで十分だと思います。メルカリなどで見たところ半額以下の金額で売っているのでぜひ購入してみてください。
国家試験の勉強に役立ったアプリはこれ!
臨床工学技士の国家試験勉強の際にとても役に立ったアプリは「Lin Co」というアプリです。
過去10年分以上の問題が入っており、分野別に問題を解いたり選択肢をシャッフルして解くこともできます。スマホだけでなくiPadにも対応しているのも私の中でポイントが高い点です。
アプリ自体も無料で使用することができるのでぜひ使用してみてください。
国家試験の1番の近道は過去問の傾向を見つけること
第38回臨床工学技士工学技士国家試験まで残り1年を切りました。
国家試験勉強はとにかく過去問を解いて傾向を知ることが1番だと思っています。特に過去5年分に関しては9割以上解けるようにしておけば、難しい問題が出ても対応できると思います。
過去問を解いて苦手な分野を見つけたら成長するチャンスです。先ほど紹介したような分野別の参考書を駆使して対策していただけたらと思います。
この情報があなたの役に立てば幸いです。最後まで見ていただきありがとうございました。
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